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白い森の国“ ふるさとおぐに” フォトコンテスト審査会について、応募総数145点の中から、厳正な審査の結果、次のとおり各賞が決定しました。
画像をクリックすると大きな画面で見ることができます。
【講評】
これまでの応募作品にはなかった、非常に珍しい作品です。旧小国街道の石橋からの撮影ですが、弁当沢の石橋に行くだけでも大変です。そこから見える歴史ある石橋と見事な紅葉を、完成度の高い画面構成とフレーミングで決めました。秋の色合いも非常に美しく露出の決め方も見事です。これまでにない作品として感銘を受けました。
【講評】
梅花皮大滝はなかなか目にすることのできない滝ですが、スプーンカットの残雪と梅花皮大滝を上手に組み合わせました。撮影ポジションも良く、手前の残雪の入れ方も絶妙です。梅花皮大滝の奥に連なる峰と青空、雲など画面構成もしっかりしていて、小国の山の雄大さが表現されています。
【講評】
白い森おぐに湖の春が、見事に描かれました。たいへん美しい新緑、水面に映り込む青空と雲のシャッターチャンスが絶景となっています。応募作品では数少ない広い画角での画面構成ですが、無駄なものはなくスケール感があります。すべての構成要素が、小国の待ちわびた春を現しています。
【講評】
飯豊連峰での撮影場所は不明ですが、小国盆地を眼下に見据えながら峰に咲くミネザクラが、朝日を浴びながら健気に咲いている風情に感動します。遠くに連なる峰々との組み合わせにたいへんスケール感があり、なおかつすがすがしい空気感が宿っています。この花見を私もしたいものです。
【講評】
朝日連峰展望台からの俯瞰ですが、朝霧が漂う中、町の表情が朝霧の隙間からわずかに見えています、手前の晩秋の雰囲気と朝霧漂う季節感が非常にマッチしています。街並みの様子を画面に少し入れたことで、この作品の評価が高まりました。山間に広がる町と自然豊かな雰囲気が上手に捉えられました。
【講評】
黒沢峠の石畳とブナ林を紅葉の季節に、朝の光がブナ林の中から射し込んでいる絶妙なシャッターチャンスです。苔むした石畳に光が射している光景がたいへんに美しい。その昔、大勢の人が往来していた道黒沢峠を懐かしむように見つめることができます。光を感じさせる露出がベストでした。
【講評】
旧小玉川小中学校の校庭のオオヤマザクラとその背景の残雪や緑の山肌、そこに漂う朝霧が見事な旋律を生み出しました。過去の入選作品とは違い、桜を中心にアップ気味に切り取った画面構成にチカラがあります。小国の遅い春の魅力がしっかり画面に宿しました。
【講評】
半分は朽ち果てているブナの巨木ですが、体に纏っているツタの色合いが見事に美しいです。緑やオレンジいろいろな色のツタを纏いながら、いまだ森の中で立ちすくむ姿と背景の紅葉の美しさとの対比がとても感動的です。フレーミングもしっかりしています。
【講評】
紅葉の名所の赤芝峡です。朝霧が漂うシャッターチャンスの時にしっかりととらえているすばらしい紅葉の色合い、小さな滝と渓流、すべてを入れながら赤芝峡の魅力を存分に引き出しました。フレーミングも良く、霧の分量を少なくしたことが成功しました。
【講評】
小国ダム湖の作品ですが、普通の人にはなかなか見られない貴重な光景です。枝に霧氷と雪が同居してまるで白い花を咲かせているような風情がたいへん魅力的です。シャッタースピードを速くして降雪を捉えている手法もこの作品にぴったり合っています。
【講評】
川面が凍った氷が割れて水面を漂う情景が、魅力的な映像になりました。川岸の雪景色を最小限にした画面構成が、作品の主題を明確にしてチカラを生み出しました。シャッターチャンスも良く、冬の無彩色の光景の中に空の映り込みが少しあったのも効果的でした。
【講評】
樽口峠の紅葉の季節が、独特の切り取り方で描かれました。朽ち果てた木立を主役にしながら、今は盛りと色づいた様々な色合いの紅葉・黄葉を背景に入配置しました。輪廻転生の風情を画面に宿したところが魅力です。色調もよく露出設定も効果的でした。
【講評】
小国ダム湖の湖畔に移植された有名なイチョウの大木です。大木の下から仰ぎみるようにとらえ、なおかつ北極星を大木の上に配置し、北極星を中心に星を回すように描いた画面構成が力強いです。イチョウへの光の当て方も上手で、星の露出も的確でした。
【講評】
小国町の住民にもなじみの少ない滝川のカジカ滝ですが、紅葉の季節感を出しながら、滝の雰囲気をたいへん雰囲気のあるものに描きました。スローシャッターで滝の表情が柔らかくすると共に、滝つぼの落ち葉が円を描くように表現した撮影技術も秀逸です。
【講評】
梅花皮荘付近の渓流が、紅葉盛りの時に描かれました。色とりどりの紅葉・黄葉の織りなす木々の衣装が、野趣あふれる画面構成でとらえられています。水面を最小限にしながら、ごつごつした岩と木々をメインにとらえたフレーミングが良かったです。
【講評】
赤芝峡に近い荒川の渓谷ですが、紅葉の絶景ポイントを奥行き感のある縦構図で力強く描きました。そこに米坂線の電車を配置したことで、一味違う小国町の作品となりました。陸橋をわたっていく列車に、どこか郷愁のようなものが感じられます。
【講評】
残雪の飯豊連峰が田植え後の水田にこのように映り込む光景を、ほとんどの人は知らないと思います。まだまだ隠されたすばらしいポイントがあることをこの作品は証明しています。朝霧漂うシャッターチャンスといい、画面構成といい、一般の部であっても入選できた作品です。
【講評】
久しぶりにスナップの力作に出会いました。初夏の朝日の中で、子どもが元気に楽しそうに動き回っている様子が感動的です。子どもの視線の先には牛が一頭草を食べていて、のどかな山里の情感が画面に宿っています。フレーミングもシャッターチャンスもいいです。
【講評】
東北でも名高い小国町名産のわらびが、山間ですくすくと育っている情景がとてもいいですね。背景に残雪の飯豊連峰と青空を配置した画面構成がしっかりしており、わらびの成長を伝える縦構図の選択も良かったです。
【講評】
稲刈りが終わり、静まり返っている秋の静寂感が魅力的です。秋空を大胆に入れながら、収穫を終えた田んぼと遠くに民家を一軒配置した画面構成も効果的でした。心が安らぐのどかな光景で、フレーミングも上手です。
【講評】
今や、春の小国町の人気のスポットになった撮影ポイントです。満開のオオヤマザクラを中心に、前景に鮮やかな緑の広場、背景にオオヤマザクラと残雪が点在する山肌を組み合わせてスケール感を出しました。
審査委員長 鈴木 一雄 氏(自然写真家)