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「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」(以下、「財政健全化法」という。)が平成20年4月から一部施行され、この法律により、地方公共団体は、毎年度、実質的な赤字や外郭団体を含めた実質的な将来負担等に係る指標(「健全化判断比率」)と公営企業ごとの資金不足率(「資金不足比率」)を議会に報告し、公表することとされました。
小国町の令和3年度決算に基づく健全化判断比率・資金不足比率は以下のとおりです。
実質赤字比率 | 連結実質赤字比率 | 実質公債費比率 | 将来負担比率 | |
---|---|---|---|---|
健全化判断比率 | -% (△10.67%) |
-% (△34.68%) |
12.4% | 69.4% |
早期健全化基準 | 15.00% | 20.00% | 25.0% | 350.0% |
財政再生基準 | 20.00% | 30.00% | 35.0% | - |
※赤字額がないため、実質赤字比率と連結実質赤字比率は「-」と表示し、参考として黒字の比率を()内にマイナス表記しています。
特別会計の名称 | 資金不足比率 | 経営健全化基準 |
---|---|---|
水道事業会計 | -% | 20.0% |
工業用水道事業会計 | -% | |
病院事業会計 | -% | |
老人保健施設事業会計 | -% | |
簡易水道事業特別会計 | -% | |
下水道事業特別会計 | -% |
※資金不足額がないため、資金不足比率は「-」と表示しています。
財政健全化法は、地方公共団体の財政の健全性に関する比率の公表の制度を設け、当該比率に応じて、地方公共団体が財政の早期健全化および財政の再生並びに公営企業の経営の健全化を図るための計画を策定する制度を定めるとともに、当該計画の実施の促進を図るための行財政上の措置を講ずることにより、地方公共団体の財政の健全化に資することを目的に制定されました。
毎年度、4つの健全化判断比率(実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率,将来負担比率)を監査委員の審査に付したうえで議会に報告し、公表しなければなりません。
健全化判断比率のうち、いずれかが早期健全化基準以上の場合には、議会の議決を経て、財政の状況が悪化した要因の分析を踏まえ、必要最小限度の期間内に、実質赤字比率は実質赤字を解消すること、ほかの3つの健全化判断比率は早期健全化未満とすることを目標として財政健全化計画を定め,速やかに公表するとともに、総務大臣・県知事へ報告しなければならないこととされています。
再生判断比率(健全化判断比率のうち、将来負担比率を除いた3つの比率)のいずれかが財政再生基準以上の場合には、議会の議決を経て、財政の状況が著しく悪化した要因の分析を踏まえ、必要最小限度の期間内に、実質赤字比率は実質赤字を解消すること、他の3つの健全化判断比率は早期健全化未満とすること等を目標として財政再生計画を定め、速やかに公表するとともに、総務大臣へ報告しなければならないこととされています。
公営企業(水道や下水道事業など)を経営する地方公共団体は、毎年度、公営企業ごとに資金不足比率を監査委員の審査に付したうえで議会に報告し、公表しなければならないこととされ、これが経営健全化基準以上となった場合には、当該公営企業の経営の状況が悪化した要因の分析を踏まえ、必要最小限度の期間内に、資金不足比率を経営健全化基準未満とすることを目標として経営健全化計画を定めなければならないこととされています。
健全化判断比率の公表は、平成19年度決算から適用し、その他の義務付け等の規定については、平成20年度決算に基づく措置から適用されています。
小国町の比率【 -%】【早期健全化基準:15.00%】
実質赤字比率は、福祉、教育、まちづくりなどを行う地方公共団体の一般会計等の赤字額を町税等の財源の規模と比較して指標化し、財政運営の深刻度を示します。
各会計年度における歳出は、歳入の範囲内で行うことが原則となっており、歳入が歳出に不足してしまい、赤字が生じることは望ましくありません。この赤字を解消できないと、翌年度に繰り越されることになりますが、翌年度においてその分の歳入確保または歳出削減ができなければ、更に繰り越され、赤字額が累積していくことになります。
令和3年度の小国町の一般会計等の実質収支は黒字であり、実質赤字は生じておらず、実質赤字比率は該当ありません。
小国町の比率【 -%】【早期健全化基準:20.00%】
連結実質赤字比率は、すべての会計の赤字と黒字を合算して、その団体としての全体の資金の不足の程度を把握するため、町税等の財源の規模と比較して指標化し、地方公共団体全体としての運営の深刻度を示します。
小国町の会計は、町民税等を主な財源とし、福祉、教育、まちづくりなどを行う町の中心的な行政サービスを行う一般会計の他に、料金収入等を主な財源として事業を実施している水道や下水道といった公営企業など複数の会計に分かれています。一般会計が黒字でも別の会計に赤字が多くあれば、町全体として見たときの財政状況が良いとは言えません。例えば、料金収入を財源として独立採算で行っている事業(水道や下水道など)の赤字額はその事業の経営努力と料金収入で解消することが原則ですが、料金収入等で解消できなければ、町としてその赤字に対処しなければならず、一般会計にも大きな影響を与えかねません。
なお、令和3年度の小国町の一般会計等の実質赤字および公営企業会計の資金不足は、いずれも生じておらず、連結実質赤字比率は該当ありません。
小国町の比率【12.4%(令和2年:12.2%)】【早期健全化基準:25.0%】
実質公債費比率は、借入金の返済額およびこれに準じる額の大きさを指標化し、資金繰りの危険度を示します。
一般会計の公債費は、当然、一般会計の義務的な負担になりますが、公営企業等ほかの会計の公債費に対して一般会計から繰り出す経費もあります。また、近隣市町村との組合により整備した施設に係る負担金なども一般会計の義務的な負担となります。このため、こうした公債費に準じた経費も公債費に加算し、実質的な公債費を算出のうえ、一般財源の標準的な規模を表す標準財政規模と比較して指標化したものが「実質公債費比率」です。
この比率が高まるほど、財政の弾力性が低下し、他の経費を節減しないと赤字団体に転落する可能性が高まるなどの一般会計の資金繰りの危険度を示す指標です。
なお、令和3年度の小国町の比率は12.4%で、公債費や繰出金の増加などにより令和2年度に比べ0.2ポイント増加しました。
小国町の比率【69.4%(令和2年:76.6%)】【早期健全化基準:350.0%】
地方公共団体の一般会計の借入金(町債)や将来支払っていく可能性のある負担等の現時点での残高の程度を指標化し、将来財政を圧迫する可能性が高いかどうかを示します。
小国町の一般会計が将来支払っていく負債には、長期の借入金である一般会計の地方債残高のほか、借入金ではないものの契約等で支払いを約束したもの、公営企業等の他会計の地方債残高のうち一般会計が負担するもの、また、近隣市町村との組合により整備した施設に係る地方債のうちその団体の負担分などがあります。土地開発公社の負債や第三セクターの負債のうち地方公共団体がその損失の補償をする契約をしているものについても、公社や第三セクターの経営状況によっては、将来負担しなくてはならないこともあり得ます。なお、小国町では現在、土地開発公社や第三セクターへ負担をしなければならない金額はありません。
こうしたものも含め、現時点で想定される将来の負担を財政規模と比較して指標化したものが「将来負担比率」です。
この比率が高い場合、将来こうした負担額を実際に支払っていかなければなりませんので、今後の財政運営が圧迫されるなど問題が生じる可能性が高いと言えます。
なお、令和3年度の小国町の比率は69.4%で、新小国小学校建設以降地方債の発行抑制に努めてきたことなどから分子となる将来負担額等が減少したことに加え、地方交付税の増加などにより分母となる標準財政規模等が増加したことにより、令和元年度に比べ7.2ポイント減少しました。
小国町の比率【 -%】【経営健全化基準:20.0%】
公営企業の資金不足を、公営企業の財政規模である料金収入の規模と比較して指標化し、経営状況の深刻度を示します。
公営企業の経営状況を、公営企業の料金収入に対する資金不足の規模で表したのが、「資金不足比率」です。この比率が高くなるほど、料金収入で資金不足を解消するのが難しくなりますから、公営企業として経営に問題があることになります。
令和3年度においては、資金不足が生じた公営企業はないため、小国町では資金不足比率は該当ありません。
総務省のホームページより地方公共団体財政健全化法について [PDFファイル/854KB] <外部リンク>をダウンロードしてご覧いただけます。