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宝泉寺の千手観音菩薩像(ほうせんじのせんじゅかんのんぼさつぞう)

更新日:2019年1月18日更新 印刷ページ表示

宝泉寺の千手観音菩薩像の画像

名称

宝泉寺の千手観音菩薩像(ほうせんじのせんじゅかんのんぼさつぞう)

指定区分

小国町指定文化財(彫刻第十号)

指定年月日

昭和59年3月31日

所在地

小国町大字小玉川

所有者(管理者)

小玉山
宝泉寺

寸法

総高49.5cm
肩張25.5cm
裾(総巾)47.0cm

概要

町指定文化財宝泉寺の千手観音菩薩像は、JR小国駅の南方20km程の所に位置する小玉川集落の、曹洞宗・小玉山宝泉寺(越後下関桂岩寺末)に安置されている。

小玉川集落の大半は、内川の河岸に開けた集落で、近くには城館跡や砦跡、江戸期の製塩跡、更には樹齢500年とも推定される六斗沢の大杉などもある歴史感あふれる集落である。

宝泉寺の千手観音菩薩像は、昭和59年3月31日財彫刻第十号として町の文化財に指定された。また、『小国の文化財』によれば本像の概要は次の通り。

「この像は十一の顔と千本の脇手をもち、しかもその手に一眼を持っているので、正しくは”十一面千手千眼観音”といわれる。これは忙しい時によく、猫の手も借りたいというが、われわれ人間はいろいろな形で、いろいろな願いを観音に救いを求めている。その願いにこたえる為に、千の手があり、その手一つ一つに眼がついているので千手観音と呼ばれる所以である。

本像は頭上の天冠上に十一面の化仏をつけた十一面観音像で、本町に唯一の像である。中央の高い大きな化仏はアミダの化仏で、その前面に二段に仏面が配置されているが、正面の三面は菩薩相(慈悲層)で左三面は瞋怒相(しんぬそう)であり、右三面は牙上出相(狗牙上出相=ぐげじょうしゅつそう)、後方の一面は大笑相(だいしょうそう)である。頭上に多くの化仏をつけることについては諸説があるが、観音という菩薩は慈悲をその特質としている事から、どちらの方向にいる衆生から救を求められても常にその方向を見ているという意味であろう。」

総高49.5cm、肩張25.5cm、総巾47cm、玉眼入りで、第三手には錫杖を持ち、製作年代は江戸初期頃とされている。

千手観音菩薩像がこの地に招致された事情は不明である。ここから玉川を経て大里峠を越えれば越後の国へ、北東の樽口峠を越えれば小国・米沢方面へ、そして南東の山陰には米沢・会津方面へとつながる滝集落があった。城館跡や砦跡もある。これらと仏像との関係がどうなのかは謎であるが、現在は大切な檀家の観音様として、また、地域の大事な文化財として護り継がれている。