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小国上杉神社の短冊(おぐにうえすぎじんじゃのたんざく)
小国町指定文化財(書籍第2号)
昭和58年3月31日
小国町大字小国小坂町
坂町親和会
縦36cm
横5.7cm
神明山公園は、おぐに開発総合センターの西側に位置し、通称県社山ともよばれ、ここには明治11年創建の米沢上杉神社の分社・小国上杉神社がある。この神社の社宝である上杉鷹山直筆の短冊は、昭和58年3月書籍第二号として町の文化財に指定され、その後昭和59年11月には、「広報おぐに」によりその内容が紹介された。由緒と、社宝になった経緯等は次の通り。
遡れば、これは当神社のもう一つの社宝・軍扇と同じように、米沢にある上杉神社の分社を当地に建設するに際して、上杉家から寄進していただいた短冊である。
「上杉家の養子となり、謙信より数え同家の十代目を継いだ治憲(鷹山)は、隠退した養父重定が余生を楽しく過ごせるようにと二の丸御殿をつくった。その上鷹山は、重定が新居所に移るのを祝って歌を詠まれ短冊にしたためられた。このことからも、名君といわれた鷹山の優しい心が伝わってくる一品である。鷹山自詠自筆といわれるこの短冊には次のような詞書と和歌がしるされている。
二の丸の館に
移住を寿て
春は花 秋は紅葉の色深く
老いせぬ宿に 君やさかえむ
鷹山
重定はこの歌に深く感心し、大変喜ばれたという。
短冊の大きさは、縦36cm、幅5.7cm、地色は茶色で、上の方に金を散らし、下の方には溢梅の模様が描かれている。(広報おぐに)」
この短冊は名君として知られた鷹山公のお人柄を窺うことができる貴重な資料であり、現在は坂町親和会の人達により大切に守られている。